映画『日本沈没』(1973年/2006年)の「わだつみ」とJAMSTECの「しんかい2000」

1973年に公開され大ヒット作となった映画『日本沈没』。

冒頭の日本海溝の底で異常事態が進行していることを告げるシーンでは、深海潜水艇「わだつみ」が、そのリアルな姿で観客に強い印象を与えました。

映画では「わだつみ」の精巧なミニチュアとともに、実物大の撮影用モックアップも製作され、この潜水艇が現実に存在すると思えるほどでした。

映画に登場する「わだつみ」がリアルだったのは、JAMSTECの前身である海洋科学技術センターが、当時計画し、三菱重工が建造した有人潜水調査船「しんかい2000」のデザインを基にしたからであり、船尾の巨大な推進器、両舷に装備された小型の補助推進器、耐圧殻と観測窓の配置、そして白の船体上部の赤い昇降塔など細部にいたるまで雰囲気が似ています。

「しんかい2000」が完成したのは1981年ですが、その姿を見て、1973年の映画『日本沈没』(操縦士・小野寺俊夫役は藤岡弘、さん)、あるいは1974年版のドラマ『日本沈没』の「わだつみ」(小野寺役は村野武範さん)を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。

有人潜水調査船「しんかい2000」(JAMSTEC)

2006年版の映画「日本沈没」では「わだつみ2000」(小野寺役は草彅剛さん)として登場。クライマックスで大変重要なミッションにかかわることになります。

また、1987年の映画「首都消失」では「しんかい2000」として登場。首都圏を包んだ謎の雲の正体をさぐるため、海中からのアプローチを試みます。

小松左京原作の映像化作品でもっとも縁の深い有人潜水調査船「しんかい2000」は、2017年8月、一般社団法人日本機械学会より「機械遺産第87号」に認定されました。

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