小松左京の代表的なジュブナイルSF短編として多くの子供たちに親しまれてきた「キツネと宇宙人」(青鳥文庫「宇宙人の宿題」収録)最初、は、当初「きつね」のタイトルで、1964年11月にサンケイスポーツに掲載されたもので、今年、誕生から六〇周年を迎えます。
<「キツネと宇宙人」概要>
1964年11月にサンケイスポーツに掲載されたショートショート「きつね」は、翌1965年2月に子供向けに書きなおされ、「キツネと宇宙人」として朝日新聞に改めて掲載されました。そして、10年後の1974年に講談社の子供向けのアンソロジー「宇宙人のしゅくだい」の一篇に選ばれました。1981年には講談社青い鳥文庫「宇宙人のしゅくだい」に収録され、以来、多くの子供たちに読み継がれてきました。
青い鳥文庫「宇宙人のしゅくだい」(講談社)
<大蔵流狂言「狐と宇宙人」>
京都の大蔵流狂言の当時の茂山あきらさんの依頼で、小松左京自ら「キツネと宇宙人」を狂言台本に仕立てなおしたものが、SF狂言「狐と宇宙人」。
一九七九年、花形狂言会第一回東京公演として、新宿紀伊国屋ホールで初演されました。
出演は、茂山正義(後、五世茂山千作)さん、茂山真吾さん、茂山あきらさんでした。
SF狂言「狐と宇宙人」は、その後、二〇〇三年、そして二〇一二年にも再演されています(二〇一二年に上演された際は、KBS京都とMXテレビで放送されました)。
<イタリア人による狂言「狐と宇宙人」
小松左京の代表的なジュブナイルSF短編として多くの子供たちに親しまれてきた「キツネと宇宙人」(青鳥文庫「宇宙人の宿題」収録)を原作とし小松左京みずからが脚色した狂言「狐と宇宙人」が、小松左京の創作の原点の地ともいえるイタリアで、2019年10月19日に初公演されました
日伊の親善のため、イタリア語で行う狂言を行う「伊太郎狂言プロジェクト」の団長であるモレッティ・ルーカさんを中心に上演されたもので、日本の伝統芸能にSFという未来的な発想を吹き込んだ作品が世界に飛びだすという、夢のある企画です。
団体・企画: 伊太郎狂言プロジェクト