小松左京のSF狂言「狐と宇宙人」イタリアで初公演!
狂言「狐と宇宙人」初演から40年(1979年2月)の今年、日本の古典にSF魂を吹き込んだ創作狂言を、小松左京の文学原点の地イタリアにおいて、イタリア人狂言師がイタリア語で披露します。
<概要>
小松左京の代表的なジュブナイルSF短編として多くの子供たちに親しまれてきた「キツネと宇宙人」(青鳥文庫「宇宙人の宿題」収録)を原作とし小松左京みずからが脚色した狂言「狐と宇宙人」が、小松左京の創作の原点の地ともいえるイタリアで、2019年10月19日に初公演されることになりました。
日伊の親善のため、イタリア語で行う狂言を行う「伊太郎狂言プロジェクト」の団長であるモレッティ・ルーカさんを中心に上演されるもので、日本の伝統芸能にSFという未来的な発想を吹き込んだ作品が世界に飛びだすという、夢のある企画です。
<原作「キツネと宇宙人」に関して>
「キツネと宇宙人」は最初、「きつね」のタイトルで、1964年11月にサンケイスポーツに掲載され、誕生か
ら55年を迎えます。
「きつね」は翌、1965年2月、子供向けに書きなおされ、「キツネと宇宙人」として朝日新聞に改めて掲載さ
れ、1974年に講談社の子供向けのアンソロジー「宇宙人のしゅくだい」の一篇に選ばれました。
1981年には、講談社青い鳥文庫「宇宙人のしゅくだい」として新装され、現在では100版を越え、今も子供
たちに読み継がれています。
青い鳥文庫「宇宙人のしゅくだい」(講談社)
<狂言「狐と宇宙人」>
京都の大蔵流狂言の当時の茂山あきらさんの依頼で、小松左京自ら「キツネと宇宙人」を狂言台本に仕立てなおしたものが、SF狂言「狐と宇宙人」。
一九七九年、花形狂言会第一回東京公演として、新宿紀伊国屋ホールで初演されました。
出演は、茂山正義(後、五世茂山千作)さん、茂山真吾さん、茂山あきらさんでした。
SF狂言「狐と宇宙人」は、その後、二〇〇三年、そして二〇一二年にも再演されています(二〇一二年に上演された際は、KBS京都とMXテレビで放送されました)。
<小松左京とイタリア>
小松左京は、子供の頃にダンテの『神曲』を読み衝撃を受けたことで、後に京大でイタリア文学を学ぶことになり、また、ノーベル文学賞を受賞作家ピランデルロの「作者を探す六人の登場人物」の芝居を観て、SF作家を目指すことになったことから、まさしくイタリアは創作の原点ともいえる国です。
<SF狂言「狐と宇宙人」公演概要>
イタリアのチヴィタヴェッキアで開かれる「日本文化フェスティバル」の会場で上演。
団体・企画: 伊太郎狂言プロジェクト
公演: 「伊妖狐狂言」
番組: 尾牙(キツきば)・狐と宇宙人
日付: 令和元年十月十九日㊏(二十一時三十分開演)
会場: 「日本文化フェスティバル」
*「モリコーネホール」
チヴィタヴェッキア(ラツィオ州ローマ県)
主催: 石巻の友人会、伊太郎狂言プロジェクト
協力: チヴィタヴェッキア文化局
後援: 日本大使館、日本文化会館
演出: ルーカ・モレッティ(Luca Moretti )
<稽古風景・動画>