60年前の絵コントからAIが新たに執筆した物語
1965年、海外への輸出を前提とした、平日帯の5分枠でSF人形アニメの企画が立ち上がりました。
脚本を依頼された小松左京はサンプルの脚本を執筆。
この脚本をもとに、詳細な絵コントが作成されましたが企画は実現せず、オリジナルの脚本は見つかっていません。
遺品に残された絵コンテをもとに、AI(Gemini2.5PRO)が現代風にアレンジし、ジュブナイル化したのが、「ふしぎな恐竜ダイナ」です。
*イメージイラストも、「ふしぎな恐竜ダイナ」のおはなしをもとに、AIが描いたものです。
絵コンテ発見経緯

ふしぎな恐竜ダイナ
ずっとずっと未来の、宇宙にうかぶ宇宙ステーション「きぼう」。そこに、ジョーンというやさしい女の子がいました。ジョーンのともだちは、宇宙船パイロットのマックと、ステーションのリーダーであるスーダン博士です。
ある日、博士が言いました。「すごいものを見せてあげよう。これは時空そうち『レーダートロン』で、一億年前の地球から持ってきた、本物の恐竜のたまごだよ」。ホログラムスクリーンに、みどり豊かな古代の地球がうつしだされました。
たまごに特別な「成長ビーム」をあてると、ピシッ、ピシッとひびが入り、中からかわいい恐竜の赤ちゃんが顔を出しました。 「まあ、なんてかわいいの!」ジョーンは大よろこびで、その赤ちゃんを「ダイナ」となづけ、首にキラキラひかるリボンをむすんであげました。
ダイナは、部屋の大きなスクリーンにうつった、むかしの地球の景色をじっと見ていました。そこはダイナが生まれたふるさとです。「かえりたいよう」と思ったダイナは、あわてて部屋をかけだし、ワープそうちのボタンに、どん!とぶつかってしまいました。すると、目の前にキラキラかがやく空間のあなが開いたのです。 ダイナは、そのあなへぴょんととびこみました。 「まって、ダイナ!」ジョーンも、ダイナを追いかけて、光のあなへとびこんでいきました。
光のトンネルをぬけたジョーンがたどり着いたのは、見たこともない植物が生いしげる、緑いっぱいのジャングルでした。むっとする熱気と、ふしぎな鳥の声がひびいています。宇宙ステーション「きぼう」とはなにもかもがちがいました。 「ダイナ、どこー?」 ジョーンがさがしていると、せなかに大きなほねの板をつけたステゴサウルスがのっそりと現れました。ジョーンはびっくりして、夢中でかけだしました。
そのとき、「ジョーン!」とスピーカーから声がして、空からマックとスーダン博士が操縦する「マイティーカー」がおりてきました。 「マック!博士!」ジョーンが手をふったのもつかのま、地面をゆらして、するどいキバをもったティラノサウルスがすがたを現し、ジョーンにむかってつっしんしてきました。 「にげろ!」 しかし、ジョーンは湖のほとりに追いこまれ、空からは大きな翼竜プテラノドンがするどいツメでジョーンをつかみ、空高くまいあがってしまいました。
「ジョーンをはなせ!」マックはマイティーカーで翼竜を追い、光線銃でそのツメをねらいうちます。ツメがゆるみ、ジョーンの体は空中へ。すかさずマイティーカーがエネルギーネットを広げて、ジョーンを無事にキャッチしました。 ほっとしたのもつかのま、地上ではあのティラノサウルスが、よだれをたらして待っていました。 「もうだめ!」ジョーンが目をつぶった、その時です。 ガオーッ!と大きなこえがして、もう一ぴきの恐竜が岩かげからとびだし、ティラノサウルスと戦いはじめました。そして、あっというまにやっつけてしまったのです。
たすけてくれた恐竜が、やさしい目でジョーンを見ています。ジョーンはその恐竜の大きな首に、むかし自分がむすんであげた、キラキラひかるリボンを見つけました。 「ダイナなの?大きくなったのね!」 そうです、成長ビームをあびたダイナは、あっというまに大きくなっていたのです。
二人はさいかいをよろこびましたが、スーダン博士が言いました。「ジョーン、かなしいけれど、こんなに大きくなったダイナを、宇宙ステーションへ連れてかえることはできないんだ」。 ジョーンはなみだをこらえて、自分のIDネックレスをダイナの首にかけました。「元気でね、ダイナ」。ダイナもかなしそうにうなずきました。
月日がたち、ステーション「きぼう」に、地球で発掘された恐竜の化石がとどきました。ジョーンがその化石を見ていると、何かがキラリと光りました。それは、ジョーンがダイナにあげた、あのネックレスだったのです。 「ダイナの化石よ!」 時をこえて、ダイナにまた会えたのです。 「博士、この化石のお手入れ、わたしにやらせてください」。 ジョーンは、ともだちへの「ありがとう」の気もちをこめて、ダイナの化石を、そっとみがきはじめました。そして、きれいになった頭の化石に、新しいリボンをそっとむすんであげたのでした。

