小松左京の超能力SF「エスパイ」劇場公開50周年を記念して初のBlu-ray化

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映画「エスパイ」公開50周年記念Blu-ray

小松左京の原作をもとに、『日本沈没』に続いて東宝が総力を結集して放った超能力を駆使するエスパイたちの壮絶なサイキック・バトルを描いた映画『エスパイ』(1974)が、劇場公開50周年を記念して初めてBlu-ray化されます。

50周年記念の特典として制作された全カラー88ページの豪華ブックレットには出演の藤岡弘、さん、由美かおるさん、草刈正雄さんによるインタビューや、世界的な大ヒット映画「エクソシスト」(1973年)で悪魔に取り憑かれた少女を演じたリンダ・ブレアが出演するはずだった幻のバージョンの経緯も紹介、また、アクションシーンなどの撮影風景や記者発表を記録した貴重なニュース映像(スポニチニュース)や海外予告編などもある特典映像も必見です。 

 VFXなど全くない半世紀前の時代、昭和の「ゴジラ」シリーズや劇場版「日本沈没」(1973)の特撮を担当した中野昭慶特技監督が熟練の特撮技術を駆使し映像化した、テレキネス、予知、テレポーテーションといった超能力の数々を、Blu-rayの鮮明な画質で楽しんでいただけます。

『エスパイ』BDジャケット

原作「エスパイ」60周年

原作である「エスパイ」は1964年に週刊漫画サンデーで連載されたもので、小松左京にとって「日本アパッチ族」、「復活の日」に継ぐ三作目の長編にあたります。
日本初の本格的なエスパー(超能力者)小説とも言われており、今年60周年を迎えました。
『エスパイ』は『週刊漫画サンデー』で連載されていましたが、同じ時期に掲載されていたのは、山田風太郎さんの傑作『甲賀忍法帖』でした。

早川書房で「エスパイ」が単行本化された際、解説を書いたSFマガジンの編集長であった福島正実さんは、この作品を『わが国で書かれた はじめての本格的なエスパー(超能力者) 小説』と評価していました。

日本では、「幻魔大戦」(平井和正)、「ねらわれた学園」(眉村卓)、「バビル二世」(横山光輝)、「AKIRA」(大友克洋)といった超能力をテーマにした様々な作品が生み出されていますが、その先駆けとなったともいえる存在です。

早川書房「エスパイ」(1975) カバー・生賴範義
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映画「エスパイ」概要

エスパイ——それは人並み外れた超能力を持った人間(エスパー)によって組織された国際秘密機構であり、どの国家にも属さずに世界平和を守る正義の力だ。このエスパイたちにとって、恐るべき挑戦者が現れた。世界各地で VIP を暗殺する“逆エスパイ”の存在である。彼らへの対策に苦慮する中、エスパイの日本支部長・北条(加山雄三)は、部下の田村(藤岡弘)とマリア(由美かおる)を使って、超能力を持ったテストドライバーの三木(草刈正雄)をスカウトし、超能力のトレーニングを課していた。ある日、イスタンブールからの情報により、逆エスパイがバルトニア首相の暗殺を企んでいることを知る。恋仲でもある田村とマリアはイスタンブールへと飛ぶが、

そこには逆エスパイの首領ウルロフ(若山富三郎)の罠が仕掛けられていた……!
映画「エスパイ」公開50周年記念Blu-ray発売リリースより

Blu-ray特典“88ページ・オールカラーブックレット”

 今回のBlu-rayの特典として、映画「エスパイ」の秘話満載の88ページ・オールカラーのブックレットが制作されました。
 藤岡弘、さん、由美かおるさん、草刈正雄さんが語る、撮影当時の貴重なエピソードの数々、また、1967年の初の映画化企画から1974年の劇場公開まで、7年に及ぶ「エスパイ」映画化の歴史が、シナリオの変遷とともに詳細に紹介されています。
 特に、1973年に公開され世界的な大ヒットとなった「エクソシスト」のヒロインであるリンダ・ブレアと東宝との出演交渉経緯、そしてリンダ・ブレアが予知能力をもったエスパイとして登場する幻のシナリオなどは驚くべきものです。

 【出演者インタビュー・藤岡弘、 由美かおる  草刈正雄】

  藤岡弘、さん(「エスパイ」製作時「藤岡弘」)、由美かおるさん、草刈正雄さんのインタビューを収録。

映画「エスパイ」への想い、そして撮影秘話の数々が披露されています。

 藤岡弘、

 「50年前の昭和の時代に、超能力の世界を映像化するという画期的な試みにチャレンジした、 その気概が全

編に満ちた作品だと思います。粗削りな部分もあるかもしれませんが、作品にみなぎるチャレンジ精神やこれまでにないものを作ろうという情熱を体感していただければと思います。

 由美かおる

 「わくわくしました。 エスパーとスパイを掛け合わせた言葉も魅力で、 面白そうだなって思いました。

もともと不思議なことに興味があって、超能力にも関心があったんです。 人間も宇宙の一部だから、そんな

力があっても不思議じゃないなって(笑)。

 草刈正雄 

  加山さん大好きだったので、すごく緊張したのを覚えています。

              <中略>

  もしかしたら笑っちゃうところあるかもしれないけど、そういう部分も含めてエスパイを楽しんで欲しい

すね・・・・・・ リメイクをするは、僕加山さんの役お願いします (笑)

 【映画「エスパイ】四つの台本の詳細】

   「エスパイ」は原作発表の1964年から間もない1967年に映画化が検討され1968年にはシナリオ第一稿も執筆されていました。三橋達也さん、佐藤允さん、浜美枝さん、若林映子さんといった当時の人気俳優を集めた布陣でしたが、実現することはありませんでした。

 しかし、『エスパイ』の映画化が二つのきっかけで再び動き出すことになります。小松左京の原作で、73年末に公開され大ヒットした『日本沈没』。そして74年春、ユリ・ゲラーのTV出演から始まった、スプーン曲げなどの超能力ブームです。

驚くべきことは、再始動した「エスパイ」のプロジェクトでは、アメリカ本部からの応援の大物エスパー・ジュディ役として『エクソシスト』(73)で主人公・リーガンを演じたリンダ・ブレアの出演が予定されていました。

 ブックレットでは、第二稿、第三稿をもとに、リンダ・ブレアが演じる予定だったジュディのキャラクター詳細(人の死を予言する能力や草刈正雄演じるエスパー・三木との関係等)に踏み込むとともに、当時のメディアでの反応も合わせて紹介されいます。

特典映像/スポニチニュース5編

製作発表会の様子やアクションシーン撮影風景などのニュース映像5編(提供:スポニチクリエ)を収録。

藤岡弘、さんの吹き替え無しアクションシーンのメイキングや、初のアクションに挑む由美かおるさんの意気込み、加山雄三さんの大ファンで共演することに感激していた草刈正雄さんが、撮影の合間にシナリオをのぞき込みながら加山雄三さんから演技のアドバイスを受けているような一コマも。

 さらに、エスパイの宿敵であり、ラスボス感満載の昭和の大名優、若山富三郎さんのメイクシーンなど驚くべき映像満載です。

・「早くもお正月の用意 由美かおる」

・「ガンバッてます 加山雄三」

・「わたしは女優? 由美かおる」

・「俺は超能力者! 若山富三郎」

・「廃工場のアクションシーン 藤岡弘」

『エスパイ』公開 50 周年記念 Blu-ray

品番:TBR34206D/POS:4988104140067

本編 94 分/カラー/シネスコサイズ

原作:小松左京 脚本:小川英 監督:福田純 特技監督:中野昭慶 製作:田中友幸/田中文雄 音楽:平尾昌晃/京建輔

出演:藤岡弘/由美かおる/草刈正雄/加山雄三/若山富三郎

(C)1974 TOHO CO.,LTD.

◆Blu-ray(2 層 50GB)

●音声:①日本語モノラル ②オーディオコメンタリー

●字幕:日本語バリアフリー

●映像特典:特報

/予告篇/海外輸出用予告篇

/スポニチニュース(「早くもお正月の用意 由美かおる」「ガンバッてます 加山雄三」「わたしは女優? 由美かおる」「俺は超能力者! 若山富三郎」「廃工場のアクションシーン 藤岡弘」)

/スチールギャラリー(静止画)

≪特典物≫

●アウターケース(三方背仕様)

●8 枚組ロビーカード ※縮小版になります。

●豪華ブックレット【オールカラー全 88 ページ】

・作品解説「エスパイ」原作から映画へ、台本の変遷

・藤岡弘/由美かおる/草刈正雄/浅田英一(助監督)インタビュー

・「脚本家・小川英の思い出」文・大川俊道(脚本家)

・宣材紹介:ポスター/チラシ/プレスシート/劇場パンフレット

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