本作『短小浦島』には、「芸道小説」4作、「女シリーズ」、戯曲、ホラー、合わせて7本の短編で構成されています。
SF色のない作品が多く掲載され、角川文庫の小松左京シリーズとしては異色の一冊となっています。
「乗合船夢幻通路」(1976年)は、「芸道小説」シリーズの1作です。
小松左京がこよなく愛した京都の祇園を舞台にした作品であり、また、親友であった桂米朝師匠をモデルにした文都師匠も登場しています。
小松左京は、桂米朝師匠が身につけた膨大な知識から、様々なものを学び、お付き合いさせていただくことでイマジネーションを高め、「芸道小説」シリーズ含め、自らの作品として昇華してゆきました。
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表題作「短小浦島」は戯曲として書かれましたが、残念ながら未だ上演されていません。タイトルからもお判りのように、エロティカルかつ針の吹っ切れた内容なので、実際の舞台化には少々厳しいものがあるようです。
なお、電子書籍版「短小浦島」には、京大を留年したいた際に参加していたアマチュア劇団のために描いた舞台デッサンも初掲載されています。
<収録作品>
高砂幻戯
乗合船夢幻通路
石
待つ女
短小浦島
明烏
隆達小唄