三本腕の男

三本腕の男

『三本腕の男』は、「時間エージェント」シリーズの全8作品を中心に10本の短編で構成されています。

 

表題作「三本腕の男」は、『エスパイ』の流れを組むSFスパイもの。

アップテンポで世界を駆け、SF的ギミックが散りばめれています。

どんでん返しが繰り返される、まるで映画「スティング」のような雰囲気です。

 

「フラフラ国始末記」は、タイトルと物語の展開にだまされてしまいそうになりますが、とんでもない仕掛けがしてあります。

主人公ジェイムズ・フラーは遺産にもらった八千トンの貨客船を洋上大学に仕立て、その上で世界を巻き込む事件を引き起こします。1968年発表の作品なので、当時としては画期的なアイデアでした。

 

さて、この短編集の10本中8本を占めるのが「時間エージェント」シリーズ。

時間犯罪者を取り締まるタイムパトロールの活躍をコミカルに描いた作品群である「時間エージェント」も、 「三本腕の男」 同様に『エスパイ』の系譜に連なる作品です。

時間SFのエッセンス満載の上で、自由奔放に展開する物語は、『果しなき流れの果に』といったハードSFとは、また別の楽しみがあります。

1980年にはNHKの少年ドラマシリーズ「ぼくとマリの時間旅行」として、石橋正次さん、高瀬春奈さん、宍戸錠さんらが出演で映像化されました。

そして、1977年に、モンキー・パンチ先生により、見事なコミックにしていただきました。

この縁があって、1980年に『三本腕の男』が角川文庫として初めて出版された時に、解説を書いていただきましたが、今回、電子書籍化に際しても、その解説の再録をご快諾いただけました。

そこには、劇場版「ルパン三世」とコミック版「時間エージェント」の意外な関係、さらに東京ムービー新社が制作を検討していた映画「さよならジュピター」の原型である、幻の立体SFアニメでキャラクターデザインを頼まれたお話など驚くべきエピソードが満載です。

日本SF映像史における大変貴重な証言でもある、モンキー・パンチ先生の解説を是非、電子書籍版『三本腕の男』でお楽しみください。

 

<収録作品>

フラフラ国始末記
三本腕の男

原人密輸作戦(時間エージェント)
一つ目小僧(時間エージェント)
幼児誘拐作戦(時間エージェント)
タイムトラブル(時間エージェント)
地図を捜せ(時間エージェント)
幻のTOKYO CITY(時間エージェント)
ジンギス汗の罰(時間エージェント)
耶馬台国騒動(時間エージェント)