時の顔

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『時の顔』には、小松左京のデビュー直後の作品含め、初期に発表された短編が収録されています。

 

表題作である「時の顔」は、タイムトラベルものに特有のトリックに、横溝正史先生の金田一耕助シリーズのような謎解き、呪いの考察、さらにギリシャのオイディプス王の悲劇を彷彿とさせる一大因縁話など様々な要素が組み込まれた物語です。

 

1964年発表の「物体O」は、直径千キロもの筒状物体が日本列島に落下し、そこに覆われた地域は外部から完全に遮断されてしまうという、とてつもない設定の物語です。そのあり得ない事態が、まるで本当に起こっているかのように、緻密な描写が積み重ねられてゆくさまは、後の「日本沈没」「首都消失」「こちらニッポン…」の先駆けとなっています。

「お召し」は、12歳以上の人間が全て消えてしまい、子供たちだけで生きていかなければいけない世界を描いた昨比です。

小松左京の没後、萩尾望都先生により漫画「AWAY」として蘇りました。月刊フラワーズ(小学館)誌上で二〇一三年から不定期連載され、二〇一五年に完結しました。

 

「終わりなき負債」は、戦後の混乱期、父親の経営する工場が倒産し、その膨大な負債を自ら返済することなった小松左京の心境が強く反映した作品です。

重苦しい展開のなか、SF的な仕掛けが巧妙に張られている本作品は、谷隼人さん、山﨑 努さんらの出演で、1977年にNHKでドラマ化され、その映像は保存されているとのことです。

 

<収録作品>

お召し
サテライト・オペレーション
時の顔
自然の呼ぶ声
終りなき負債
物体O