最後の隠密

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『最後の隠密』は、時代もの5編を中心に全8編で構成されています。

 

「最後の隠密」は、タイムスリップして風呂桶の中から現れた幕府御庭番である小坂了介老に、小松左京がインタビューしてゆく形で進行してゆく作品です。

徳川幕府の終焉において、影の存在として己が使命を黙々とこなしてきた隠密の眼を通して、幕末から明治にかけての日本の姿を浮き彫りにしてゆきます。

 

意味深なタイトルの「竜虎抱擁」は、戦国時代の二大英雄、武田信玄と上杉謙信の川中島の戦いにスポットを当てたヒストリカル・イフ。

歴史上のある仮説をヒントに小松左京風に妄想を膨らませた怪作です。

 

「南海太閤記」は、戦国時代の覇者、織田信長にスポットを当てたこれもヒストリカル・イフ。

あらゆる制約を無効にしたロールプレイングゲームの趣があります。

 

「ぬけ穴考」は、大阪城の秘密のぬけ穴に関するお話です。

小松左京は、ぬけ穴に対して非常に愛着をもっており、「遺跡」(一九六三年)や「大阪の穴」(一九六四年)といった作品でも、大阪城のぬけ穴をモチーフにしています。

 

「まめつま」は小松の家に伝わるおまじないが創作のヒントになっています。

小松の家では、幼児が夜泣きすると米をまく風習がありました。子供にとりついて脅かす魔物を払うおまじないだったのです。

最初の子供が生まれて間もない頃、その子が夜泣きをした際には、小松の妻は、姑に教

えられとおりに、寝ている子供の頭のまわりに「パッパ」と米を撒いたと語っています。

幸いにも、撒いた米に血がついていたといった事態は一度もなかったようですが……。

 

「イッヒッヒ作戦」は アフリカ独立国の典型のような、不幸を一身に背負った架空の弱小国ボロボル共和国が舞台。大国を後ろ支えに侵攻をはかる隣国により国家滅亡の危機に瀕した、可哀想なボロボル共和国を救うために駐在中の日本男児が、ドイツ人マッドサイエンティストの協力を得て、とんでもない手段を駆使し縦横無尽に暴れまわります。小松左京自身による『復活の日』 『日本アパッチ族』のパロディーとも取れる作品です。

 

<収録作品>

イッヒッヒ作戦
ぬけ穴考
まめつま
最後の隠密
昔の女
東海の島
南海太閤記
竜虎抱擁