青ひげと鬼

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『青ひげと鬼』には、一九七〇年に発表された短編八本が収録されています。

「問題小説」「月刊エコノミスト」「朝日新聞」など掲載誌がバラバラであり、そのためバラエティーに富んだ作品群となっています。

 

「青ひげと鬼」

青ひげと呼ばれる男の過去6人の妻は、みな妊娠中毒で亡くなっていた。その事実を知った上で7番目の妻となった女を待ち受ける事態とは・・・。

小松左京の生涯のテーマの一つである新たな人類の誕生を、男女の葛藤の視点から捉えた作品です。

 

「静寂の通路」

化学物質が自然に与える危機をうったえたレイチェル・カーソンの「沈黙の春」が行き着く未来を、小松左京のイマジネーションを駆使し描いた、本当に恐ろしい物語です。

環境汚染が、生物のそして人類の未来をうばってゆく様は、現代にも強烈な警告を与えています。

 

「愛の空間」

小松左京の妄想的なイマジネーションが全開となった作品。

異星人、アンドロイド、コンピューター、怪物と、様々な作品で異形の女性像を描いてきましたが、この作品で描かれるものは想像を絶します。

宇能 鴻一郎先生のエロチックな小説を彷彿とさせます。

 

「木静ならんと欲すれど……」

小松左京とその家族をモデルとした一家が、ベッドタウンの都会的生活を捨て、突如廃村に引っ越しサバイバル生活をするというお話です。

SF的要素が皆無の作品で、戦中、戦後を生き抜いた、小松左京の経験を活かし、リアルに廃村でのサバイバル生活を描いてゆきます。

SF要素の全くない本作品ですが、実はドラマ化されていました。

 

<収録作品>

さらば幽霊
ムカシむかし……
愛の空間
海の視線
失業保険
青ひげと鬼
静寂の通路
木静かならんと欲すれど……