角川文庫70周年に関連して、角川文庫『復活の日』が生頼範義先生の表紙で2018年8月25日に発売されます。

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表紙は生頼範義先生が角川映画「復活の日」(1980年)のキービジュアルとして描いたもの。

 

 

<角川文庫70周年関連企画での新装版>

70周年を迎えた角川文庫。

角川文庫では小松左京のSF作品がほぼ網羅されていましたが、その中でも代表といえるのが『復活の日』。

1980年には製作費25億円、劇場映画初の南極ロケを敢行した超大作映画として公開され、映画と文庫のメディアミックスの草創期における一つの頂点といってよい展開となりました。

 

 

<世界的なイラストレータ生頼範義先生によるキービジュアル>

 早川書房のハードカバー版『復活の日』表紙と出会って以来、小松左京がその才能にほれ込み、自ら願い数多くの表紙を描いてもらった生頼範義先生。

世界的にも評価が高く、「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」国際版ポスターを始め、様々な作品を描き続けました。

全世界公開を目指した超大作「復活の日」はハリウッドの第一線スターを始め、内外の数多くのスタッフが係わるため、作品世界を理解してもらうために、生頼先生にストーリーボード、キービジュアルの制作を依頼。

このキービジュアルは、映画ポスターと文庫表紙で使用され、『復活の日』の世界観を多くの人に印象付けました。

 

 

 

<2018年、三度目の新装版>

2018年1月、早川書房新装版

復活の日〔新版〕_帯付き

2018年5月、ハルキ文庫新装版

  復活の日(帯付き)高画質

 

2018年8月、角川文庫新装版。


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異なる出版社3社が同じ年に同一作品の新装版を出すのは、小松左京の作品上初の出来事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・特典

【初版あとがき】

1964年、早川書房「復活の日」初版に掲載された小松左京のあとがきを再掲載。

 

【解説】

小松左京の次男・小松実盛が、『復活の日』誕生から、映画展開、現在におけるシミュレーション作品としての位置づけを紹介。

*福島県立医大の下村建寿教授による「『復活の日』から読み解くバイオロジー」の一部を紹介。人類を滅亡の淵まで追い詰める物語の中の謎の病原体MM-88のメカニズム、映画撮影時期に実際に起こっていた重大な細菌流出事件に関して言及しています。

 

 

<新装版 角川文庫『復活の日』概要>

 

・価 格       本体 760円+税

・発売日   2018年8月25日
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<『復活の日』とは> 

『復活の日』は『日本沈没』とともに小松左京の代表的なシミュレーション作品

初版は今から半世紀以上前の1964年11月に描きおろし作品として早川書房から出版されたもので、小松左京の長編としては同年3月に出版された『日本アパッチ族』に続く第二作にあたります。

1980年、当時の金額で製作費25億をかけた超大作として深作欣二監督により映画化され、木村大作カメラマンによる劇場映画世界初の南極ロケ、デビューまもない草刈正雄さんはじめ、オリビア・ハッセ―、チャック・コナーズなど当時のハリウッドの大スターが多数出演するなど話題となりました。

 

宇宙から飛来した謎の病原体を生物兵器として改良したMM-88が世界中に蔓延し、人類は南極にいた1万人を除き全滅。さらに、その最後の砦である南極までも、超大国の負の遺産である戦略核兵器の脅威にさらされるといった極限状況を描いた作品です。

SARS、エボラ出血熱、毒性の強いインフルエンザなど『復活の日』登場から半世紀を経ても

人類と感染症との戦いは続いています。

エンターテイメントとしてお楽しみいただくとともに、実際のパンディミック(世界レベルでの感染症の大流行)に備えるためのシミュレーションとしても役立てていただければと思います。

<新装版角川文庫『復活の日』より>

【『復活の日』本文より】(ネットではトランプ大統領を彷彿とさせるとの意見も)

「君には全然はなしてないし、ここにいる最高委員の中にも全貌を話していないことがあるのだ」コンウェイ提督は、怒りをこらえた調子で、室内を見まわした。「まったくバカげたことだ。そして、このバカげたことの原因は、アメリカはじまって以来の、バカげた大統領――シルヴァーランドによってつくられたものだ……」

「前大統領の……」吉住はつぶやいた。

「そう――あいつは……ほとんど考えられないくらいの極右反動で、まるできちがいじみた男だった。南部の大資本家と称するギャングどもの手先で……二十世紀アメリカのアッチラ大王だった。憎悪、孤立、頑迷、無智、傲慢(、貪欲――こういった中世の宗教裁判官のような獣的な心情を、“勇気”や、“正義”と思いこんでいた男だ。世界史の見とおしなど全然なく、六年前にはもう一度“アカ”の国々と大戦争をおっぱじめるつもりだった。――なぜ、こんな男を、アメリカ国民がえらんでしまったのか、いまだにわからない。私は軍人ではあるが、あの時ばかりは、アメリカの後進性に絶望した……」

「それで――そのシルヴァーランド大統領がどうかしたんですか?」

「“復讐はわれにあり、われ、これをむくいん”……」コンウェイ提督は憎悪をこめていった。

「これがやつのお得意の文句だったよ。――そしてやつは、ARSをつくった」

 

【『復活の日』初版あとがきより】

――偶然に翻弄され、破局におちいる世界の物語を描いたところで、私が人類に対して絶望していたり、未来に対してペシミスティックであると思わないでいただきたい。逆に私は、人類全体の理性に対して、――特に二十世紀後半の理性に対して、はなはだ楽観的な見解をもっている(それはおそらく現代作家の誰にも共通のことだと思う)。さまざまな幻想をはぎとられ、断崖の端に立つ自分の真の姿を発見することができた時、人間は結局「理性的」にふるまうことをおぼえるだろうからである。