―銀座ねこ集会展Ⅱ―

A4_ねこ集会展

SF作家になる遥か以前の、旧制高校時代に漫画家デビューしていた小松左京の漫画家時代の猫に纏わる時代劇漫画原稿と、晩年の猫が描かれた自画像風の落書きが展示されます。

猫時代劇

 猫登場時代劇(「第五実験室」原稿裏)

 小松左京と猫の肖像画

(猫を連れた西郷さん風肖像画)

 .

様々なアーチストによる、猫に纏わる作品を紹介する「銀座ねこ集会展Ⅱ」に、小松左京の作品も参加することになりました。

没後、漫画家時代(1948年、旧制高校時代にデビュー・今年70周年)の原稿裏から見つかった猫が登場する時代劇漫画原稿と、上野の西郷隆盛像をイメージしたと思われる、猫を連れた肖像画風の落書きが展示されます(いずれも今回初展示)。

世界的に評価が高く、また愛猫家でも知らせる写真家の深瀬昌久による、小松左京の歴代猫の中で最も狂暴なチャオ(小松左京を襲い全身19か所の傷を負わせる)の写真を今回初展示。

狂暴猫チャオと小松左京の歴代猫の中で最も美しいお紺を描いた添田一平さんのイラストも展示されます。

 

 

<銀座ねこ集会展Ⅱ>

・画家、イラストレーター、漫画家、造形作家など様々なジャンルのアーチスト40名の猫をテーマの作品を集めた展覧会(2017年第1回開催)。

2018年6月17日(日)~6月23日(土)

交通会館B1(JR有楽町駅すぐ)

入場無料

 

<小松左京関連展示>

 

・時代劇漫画の猫(1950年頃)

猫時代劇SF作家になる10年以上も前の旧制高校時代に漫画家デビューしていましたが、その当時の貴重な猫漫画が発見され、2017年4月「ねこ自身グルーミング」(光文社)で初公開され、新聞やテレビでも紹介された原画を初展示。

ストーリー漫画の一部で、戦後間もなくで紙が大変貴重だったことから、一度出来上がった漫画の原稿用紙を使いまわしたものと考えられます。

詳細なストーリーは不明ですが、 断片的に残された原稿によると、猫キャラクターは、主人公の正義の岡っ引きの少年と対立する悪党の手下的な存在のようでした( 踊りを披露し投げ銭を集めて回り、移動の際には悪党におんぶしてもらうなど、悪役ながら憎めないキャラクターとなっています)

・猫を連れた肖像画風落書き(2000年頃)

小松左京と猫の肖像画

晩年の落書きで、没後、遺品の中から見つかり、「小松左京の猫理想郷」(竹書房)などで紹介。

漫画原稿でなく、あくまで落書きで、その裏には漢詩などが書かれています。

着流しに猫を連れたその姿は上野公園の西郷隆盛像を彷彿とさせます(“西郷どん”ならぬ“左京どん”といったところでしょうか?)。

描かれているのは、猫、煙草、お猪口に徳利、富士山(桜島ならぬ)、ペン(執筆用?)、懐に忍ばせた漫画本(“漫”の字が見えるので漫画と推定)、下駄。どうやら、小松左京のお気に入りを盛り込んで落書きにしたようです。

 

 

<写真家 深瀬昌久撮影の小松左京の愛猫チャオの写真>

「自分とは何か」を追求し続け、世界的な評価も高い写真家 深瀬昌久さんは猫好きとしても知られ、愛猫・サスケの写真集『Afterword』も出版されています。

深瀬さんが雑誌ミセスのグラビア用に撮影した、小松左京の歴代猫中、最も狂暴なチャオの写真を初展示します。

撮影 深瀬昌久 ©Masahisa Fukase Archives

撮影 深瀬昌久 ©Masahisa Fukase Archives

 

おそろしく怒りっぽいオスネコで、来て早々に私と立ちまわりをやり、その後も近所のオスネコとやたらに喧嘩して、生傷のたえまのない、世にも汚ならしいネコだったが、事もあろうに婦人雑誌のグラビアに出たりして、妙に有名になり、女性からファンレターが来たりしたが(その中に、匿名で、明らかに女性の筆跡で、めんめんと、そのボロネコと結婚したいと自分のボデイサイズまで書いて訴えてきたのがあったが、一体どういうつもりだったのか、未だによくわからない)

 花の下の「変身願望」(小松左京)より

<添田一平さんによる小松左京の愛猫イラスト>

 

戦国武将や三國志の英雄たちを鎧や衣装の細部まで正確に描きこむ、イラストレーターの添田一平さんが、小松左京の歴代猫の中で最も狂暴なチャオと最も美しいお紺を、古代中国の武人と美姫に見立てて描いていただきました。

小松左京の愛猫チャオとお紺の掛け軸

小松左京の愛猫チャオとお紺の掛け軸 ©添田一平

 

小松左京のエッセーに登場する、チャオとお紺 チャオとお紺     お紺とチャオ<©添田一平>

なにしろ、ウチのゲバ・ネコときたら、まったくすごいやつでね。子ネコ時代に小生と大闘争を展開したことがあるんだ。

夏のことで、小生がランニングにサルマタというスタイルで、座敷にひっくりかえっていると、小生の顔を見て、“戸をあけろ”といったような横柄な顔をする。そこで、足で戸をあけてやったが、出て行こうとしない。

戸をあけておくと、蚊がはいってくるから「はやく出て行け」と足で押したら、いきなり小生の足に噛みついた。「痛い」ってんで頭をひっぱたくと、こんどは腕にくらいついた。

それから大乱闘だよ。小生の目をねらって、爪をたてて飛びかかってくるんだから、こっちだって必死だよ。

気がついたら、いつのまにかクッションを楯として、電気掃除機のパイプを槍のようにかまえている小生の姿があった。

さて、小生がゲバ・ネコとのそのたたかいで受けた傷が十八カ所。いずれも血がだらだら流れ、ちょうどそこへ帰ってきた女房が、小生の血だらけの姿を見て、脳貧血をおこしてしまった。

『恋愛博物館』より

 

死んだゲバネコは、体毛のほとんどが白で--実をいうと白というより、なんともうす汚れた、うすい鼠色に近い色だったが--所々にうす汚ない、キジの斑があった。そこへ、これもだいぶ前に死んだが、真白に両耳の所に黒い斑点のある。美しい細おもてのメスが迷いこんできて、二匹の間に、これも全身ほとんど白で、顔つきはおふくろに似、斑点はおやじに似たメスがうまれて、今では一人前のおとなになり、チビネコにいたずらされてヒスを起しながらまだ生きている。

『花の下の変身願望』より

<銀座ねこ集会展Ⅱ>

・画家、イラストレーター、漫画家、造形作家など様々なジャンルのアーチスト40名の猫をテーマの作品を集めた展覧会(2017年第1回開催)。

2018年6月17日(日)~6月23日(土)

17日(日)13:00~19:30

18日(月)~22日(金)11:00~19:30

23日(土)11:00~17:30

交通会館B1(JR有楽町駅すぐ)

入場無料

 A4_ねこ集会展