2018年5月15日、ハルキ文庫『復活の日』が20年ぶりに新装版となります。

2018年1月、ハードカバー版『復活の日』(早川書房)の47年ぶりの新装版に続くもので、半世紀以上も前に書かれた作品が、異なる出版社からハードカバー、文庫と相次いで出されることは珍しいケースと考えます。

 

 ハルキ文庫『復活の日』

復活の日(帯付き)高画質

帯は映画『復活の日』(1980年)で主役を演じた草刈正雄さん。

「この作品は僕の宝物です」

とのメッセージをいただいています。

 

 

<20年ぶりの新装版で『復活の日』リリース>

2017年2月に文藝春秋が電子書籍『アメリカの壁』をリリース以降、電子書籍『日本沈没 決定版』(文藝春秋)、文庫『アメリカの壁』(文藝春秋)そしてハードカバー版『復活の日』(早川書房)と、小松左京のシミュレーション小説に注目が集まる中、ハルキ文庫『復活の日』が20年ぶりに新装版でリリースされることになりました。

2018年1月の早川書房のハードカバー版、そして今回の文庫版と、半世紀以上前の作品(初版1964年)が、異なる出版社から相次いでリリースされる珍しいケースとなりました。

『復活の日』は小松左京の長編第二作にあたり、『日本沈没』『首都消失』『アメリカの壁』といった一連のシミュレーション小説では最初に発表された作品です。

<新装版『復活の日』概要>

 

・新たな表紙画

星野勝之さんによる新たな表紙は、防護服、潜水艦、廃棄された都市など、物語の要素を反映させたものです。

 

・特典(現行版を踏襲)

【初版あとがき】

1964年「日本 SFシリーズ 1」(早川書房)として出版された際の小松左京によるあとがきを収録。

 

 【巻末インタビュー】

1997年ハルキ文庫「復活の日」に掲載するため行われた小松左京へのインタビュー。

作品の執筆背景や映画化についての知られざるエピソードを披露。

 

【解説】

日本の分子生物学の権威、渡辺格慶応大学名誉教授(当時)による、組み換えDNAなど科学的見地から見た『復活の日』の詳細な解説。

 

 

<『復活の日』とは> 

 

『復活の日』は『日本沈没』とともに小松左京の代表的なシミュレーション小説

初版は、今から半世紀以上前の1964年11月に描きおろし作品として早川書房から出版されたもので、小松左京の長編としては同年3月に出版された『日本アパッチ族』に続く第二作にあたります。

1980年、当時の金額で製作費25億をかけた超大作として深作欣二監督により映画化され、木村大作カメラマンによる劇場映画世界初の南極ロケ、デビューまもない草刈正雄さんをはじめ、オリビア・ハッセ―、チャック・コナーズなど当時のハリウッドスターが多数出演するなど話題となりました。

宇宙から飛来した謎の病原体を生物兵器として改良したMM88が世界中に蔓延し、人類は南極にいた1万人を除き全滅。さらに、その最後の砦である南極までも、超大国の負の遺産である戦略核兵器の脅威にさらされるといった極限状況を描いた作品です。

SARS、エボラ出血熱、毒性の強いインフルエンザなど『復活の日』登場から半世紀を経ても

人類と感染症との戦いは続いています。

エンターテイメントとしてだけでなくパンディミック(世界レベルでの感染症の大流行)に備えるシミュレーションとしても役立つ作品と考えます。

 

 

 

<新装版『復活の日』より>

【『復活の日』本文より】(ネットではトランプ大統領を彷彿とさせる部分との意見も)

「君には全然はなしてないし、ここにいる最高委員の中にも全貌を話していないことがあるのだ」コンウェイ提督は、怒りをこらえた調子で、室内を見まわした。「まったくバカげたことだ。そして、このバカげたことの原因は、アメリカはじまって以来の、バカげた大統領――シルヴァーランドによってつくられたものだ……」                                   「前大統領の……」吉住はつぶやいた。                           「そう――あいつは……ほとんど考えられないくらいの極右反動で、まるできちがいじみた男だった。南部の大資本家と称するギャングどもの手先で……二十世紀アメリカのアッチラ大王だった。憎悪、孤立、頑迷(がんめい)、無智、傲慢(ごうまん)、貪欲――こういった中世の宗教裁判官のような獣的な心情を、“勇気”や、“正義”と思いこんでいた男だ。世界史の見とおしなど全然なく、六年前にはもう一度“アカ”の国々と大戦争をおっぱじめるつもりだった。――なぜ、こんな男を、アメリカ国民がえらんでしまったのか、いまだにわからない。私は軍人ではあるが、あの時ばかりは、アメリカの後進性に絶望した……」「それで――そのシルヴァーランド大統領がどうかしたんですか?」

「“復讐はわれにあり、われ、これをむくいん”……」コンウェイ提督は憎悪をこめていった。

「これがやつのお得意の文句だったよ。――そしてやつは、ARSをつくった」

 

【『復活の日』初版あとがきより】

――偶然に翻弄され、破局におちいる世界の物語を描いたところで、私が人類に対して絶望していたり、未来に対してペシミスティックであると思わないでいただきたい。逆に私は、人類全体の理性に対して、――特に二十世紀後半の理性に対して、はなはだ楽観的な見解をもっている。(それはおそらく現代作家の誰にも共通のことだと思う)さまざまな幻想をはぎとられ、断崖の端に立つ自分の姿を発見することができた時、人間は結局「理性的」にふるまうことをおぼえるからである。

 

【『復活の日』巻末インタビューより】

そうそう、『復活の日』を発表直後の昭和四十年に映画にしたいという話があった。その時、東宝のプロデューサーが「これは日本じゃできませんから」って、二十世紀フォックスに、三百五十シートぐらい英訳して送っちゃたんだ。

ハルキ文庫『復活の日』

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